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【2026年最新】デザイン経営の成功事例13選|事例から学ぶデザイン経営成功のコツ

デザイン経営が注目を集めるきっかけとなったのが、2018年に経済産業省・特許庁が発表した「デザイン経営宣言」です。

この宣言では、デザインをブランド構築とイノベーションに資する重要な経営資源として位置づけました。

デザイン経営宣言以降、さまざまな企業がデザイン経営を実践しています。

一方で、「何から着手すればよいかわからない」「デザイン組織の構築に向けて取り組んでいるが、うまくいかない」などの課題を抱えるケースも少なくありません。

本記事では、デザイン経営を推進している下記13社の事例をまとめて解説しています。

デザイン経営の成功事例7選
|ブランド価値を高めた企業

デザイン経営の成功事例6選
|顧客体験価値で差別化した企業

・株式会社グッドパッチ
・マツダ株式会社
・牛乳石鹸共進社株式会社
・ソニー株式会社
・株式会社マネーフォワード
・note株式会社
・Apple

・株式会社メルカリ
・富士フイルム株式会社
・株式会社三井住友銀行
・NTTドコモビジネス株式会社
・デジタル庁
・Dyson

デザイン経営に成功した企業の共通点も解説するので、ぜひ最後までご覧ください。

▼デザイン組織の基礎知識は、下記の記事で詳しく解説しています

デザイン組織とは?必要性や種類、構築事例・AI時代の組織体制などを解説

デザイン経営の成功事例7選|ブランド価値を高めた企業

ここでは、デザイン経営によってブランド価値を高めることに成功した7つの事例を紹介します。

デザイン経営によってブランド価値を高めた組織

株式会社グッドパッチ

デザインを経営の中核に据え、価値創造と文化醸成で事業成長を実現

マツダ株式会社

新デザインテーマ「魂動(こどう)」を掲げて、生命力のあるデザインを車に落とし込み黒字化を実現

牛乳石鹸共進社株式会社

赤箱の品質は変えずに魅力を再定義し、若年層向けの新たな価値を創出してブランド力を回復

ソニー株式会社

経営直下のクリエイティブセンターがグループ全体のハブとして機能し、ビジョン設計から事業創出までを実施

株式会社マネーフォワード

120名以上のデザイナーが活躍するデザイン組織を運営してデザインの力をさまざまな領域に反映

note株式会社

CDOを配置し、デザインをコアコンピタンス化。プロダクト品質と組織文化の両面からブランドを強化

Apple

「デザインはプロダクトそのもの」と考え、プロダクトから店舗体験まで一貫した顧客体験を提供

株式会社グッドパッチ:デザイン経営の先駆者として価値創造と文化醸成の2軸で加速

株式会社グッドパッチのデザイン経営事例

デザイン経営前の課題

・「Goodpatch Anywhere」を運営するなかで、事業数値が伸び悩んでいた
・自社の本質的な強みが明確化されていなかった

デザイン経営の概要

・メンバーへのインタビューを通じて「高度な専門性を持つ人材が柔軟に集結できる体制」を強みとして再定義
・受注前の提案段階から専門メンバーが深く関与する仕組みを導入
・価値創造のプロセスを組織文化として定着させて文化醸成につなげる

デザイン経営の成果

・新規受注率が向上
・2025年期のGoodpatch Anywhere事業の売上高は10億円を突破した

「ハートを揺さぶるデザインで世界を前進させる」をビジョンに掲げる株式会社グッドパッチは、デザインの力でビジネスの課題解決に取り組むデザインカンパニーです。

UI/UXデザインを強みとし、新規事業の立ち上げや企業のデザイン戦略立案、デザイン組織構築支援などを展開しています。

従来、デザインは「見た目の美しさ」や「機能性」に着目され、企業の事業や経営課題とデザインを結びつける発想はありませんでした。

しかし、デザインはプロダクト価値の最大化やブランド体験の一貫性、組織変革など多岐にわたる課題解決に役立つことから、代表の土屋尚史氏は「デザインはコストではなく投資である」と捉えています。

2018年、同社は「Goodpatch Anywhere」という新規事業のなかで、新たにデザイン組織を立ち上げました。しかし、運営していくなかで事業数値に伸び悩み、取り組みを見直す必要性に迫られました。

そこで、メンバーにインタビューを実施し、本質的な価値は「高度な専門性を持つ人材が柔軟に集結できる体制」にあると整理しています。

受注前の提案段階からメンバーが深く関与する仕組みを導入した結果、新規受注率の向上につながりました。

自社の強みを定量成果へ結びつけた価値創造のプロセスを組織の文化として定着させ、文化醸成につなげることで、デザイン経営の成長循環を加速させています。

マツダ株式会社:デザイン本部が各セクションと連携してデザインの力を反映

マツダ株式会社のデザイン経営事例

デザイン経営前の課題

・2009年のリーマンショック後に経営危機の状態に陥った

デザイン経営の概要

・新デザインテーマ「魂動(こどう)」を掲げて、生命力のあるデザインを車に落とし込んだ
・「デザインはブランド価値そのもの」と再定義した

デザイン経営の成果

・グローバル市場でブランドの評価が向上
・2013年にすべての利益レベルで黒字化を実現

世界的な自動車メーカーであるマツダ株式会社は、リーマンショック後の2009年に経営危機に陥りました。悪化する経営状態から脱却するために、徹底的なコスト改善や資金調達と同時に行ったのが、理想とする車づくりです。

マツダ株式会社は、以前から「見る人と乗る人をワクワクさせるデザイン」を掲げ、動きのある表現を追求した車を提供し続けてきました。

この考え方を深めていくなかで、生き物の一瞬の動きや軌跡が与える感動を車のデザインに落とし込むことに注目したのです。

また、当時、デザイン本部内に統括部門を設置し、デザイナーが主導でブランド戦略に携わる体制を整えました

性能だけでなく、デザイン性の高い魅力的な車を提供することでグローバル市場で人気を博し、2013年には、すべての利益レベルで黒字化を実現しています。

昨今、マツダ株式会社は経営の基本方針「2030 VISION」を掲げ、デザイン戦略を軸に一貫した価値を提供する体制へとシフトする組織改革の実施を発表しました。

今後、魂動デザインをさらに深化させ、日本の美意識を具現化する新たなエレガンスを追求する意向です。

牛乳石鹸共進社株式会社:伝統を再定義。若者に愛される「赤箱」へのリブランディング

牛乳石鹸共進社株式会社のデザイン経営事例

デザイン経営前の課題

・固形石鹸市場が1990年代以降縮小
・青箱の売上・認知度が赤箱よりも優勢
・赤箱のメインユーザーが60代女性に偏り、若年層の利用率が低迷

デザイン経営の概要

・2011年に「赤箱再生プロジェクト」を開始し、品質は変えず、存在価値を再定義する方針へ転換
・赤箱と青箱のデザインパッケージを差別化
・「全身用石鹸」から「洗顔にも使えるプチプラコスメ」へとリブランディング

デザイン経営の成果

・20代女性からの支持が拡大して「赤箱女子」が誕生し、SNSで拡散
・赤箱の販路拡大ができてV字回復につながった

明治42年創業の牛乳石鹸共進社株式会社が提供する「赤箱」は、長年愛されてきた牛乳石鹸です。しかし、不景気やボディソープの普及を背景に、1990年代以降、年々市場が縮小していました。

当時、同社には「青箱」の商品もあり、売上やブランド認知度も青箱が優勢でした。また、当時の赤箱のメインユーザーは60代女性で、若年層の使用率が低い状況だったのです。

そこで、2011年に「赤箱再生プロジェクト」を立ち上げ、ロングセラー商品である赤箱の存在価値を再構築する取り組みを開始しました。

商品の品質を変えるのではなく、商品の良さを多くの人に伝える方針で進めた点がポイントです。

具体的には、赤箱と青箱のパッケージデザインの違いを明確化しました。

その際、全身用石鹸のため洗顔としての訴求を行わない方針を変更し、洗顔にも使えるプチプラコスメとしてリブランディングを実施しました。

石鹸を使ったことのない20代女性をコアターゲットに設定したところ、支持が拡大。スキンケアアイテムとして商品を愛用する「赤箱女子」が登場して、SNSで写真をアップするなどの動きが広がりました。

その結果、赤箱の販路拡大ができて、V字回復につながりました。リブランディングにより新たな価値を見出し、売上拡大を実現できた事例だと言えるでしょう。

ソニー株式会社:経営直下にクリエイティブセンターを配置して全体のハブとして機能

ソニー株式会社のデザイン経営事例

デザイン経営の概要

・1961年にデザイン室を設立し、現在は経営直下のクリエイティブセンターへ発展
・デザインフィロソフィーとして「原型を創る(Create New Standards)」を策定

デザイン経営の成果

・経営・事業・研究開発を横断するデザイン体制を確立
・グループ全体のブランド価値向上に寄与

「クリエイティビティとテクノロジーの力で、世界を感動で満たす。」をPurpose(存在意義)として掲げるソニー株式会社は、日本のデザインを牽引してきた代表的なメーカーです。

同社はデザインの重要性にいち早く気づき、1961年にデザイン室を設立しました。現在はCEO直轄のデザイン組織「クリエイティブセンター」へと進化しています。

ソニーグループには、ゲーム&ネットワークサービスや音楽、映画、金融、テクノロジー、イメージング&センシングなど、主に6つの事業があります。

各事業を発展させながら、グループ全体のブランド価値を高めるために不可欠となるのが、デザインの力です。

デザインフィロソフィーとして「原型を創る(Create New Standards)」を策定して、その考えに基づきさまざまなプロジェクトに携わっています。

とくに重視しているのは、膨大な情報のなかから本質を見つけ出すこと。デザインとは0から1を生み出すのではなく、10を1にする作業だと考え、本質を見極めた上でシンプルに表現することを意識しています。

たとえば、「Creative Entertainment Vision」(10年後のビジョン)の制作ではクリエイティブセンターのデザイナーも関わり、経営層やエンジニアとともに未来を視覚化する取り組みをしました。

また、R&Dセンターと協力し、新規事業を立ち上げるインキュベーションデザインにも関わるなど、事業の幅広い領域にデザインの力が貢献しています。

note株式会社:コアコンピタンスにデザインを取り入れデザインの力で事業を推進

note株式会社のデザイン経営事例

デザイン経営前の課題

・上場のタイミングで採用活動を一時停止
・一部デザイナーの退職によって組織が不安定化

デザイン経営の概要

・CDOやCXOを経営メンバーとして配置し、意思決定に参画
・既存のデザイン組織を解体し、デザインを共通言語とする体制へ転換
・積極的な採用活動を通じた組織改革

デザイン経営の成果

・デザインを軸に新しいプロダクトを創出する仕組みを実現

note株式会社は、クリエイターが文章や画像などのコンテンツを投稿し、ユーザーが楽しみながら応援できるメディアプラットフォーム「note」を運営しています。

2014年の誕生以来、成長を続け2025年には会員数が1,000万人を突破しました。成長を支える背景には、CDO※1やCXO※2などの役職が配置され、経営メンバーとして意思決定やプロジェクト推進に携わってきた点があります。

CDOの配置後には一度既存のデザイン組織を解体して、デザインを共通言語としてnoteの成長を加速する方向性を示しました。

また、上場のタイミングで新たな風を取り入れるために、外部の業務委託メンバーを含む採用活動を積極的に実施しました。

現在は「noteの『あたりまえ品質』を一歩前へ」というスローガンを掲げ、プロダクトを通してブランド価値を高める取り組みを推進しています。

デザイナーが新規事業に携わることで、新しいプロダクトが生まれる仕組みづくりもしています。

※1 CDO:Chief Design Officerの略。デザイン戦略推進や採用・教育、デザイン組織の構築などに取り組む役職。

※2 CXO:Chief Experience Officerの略。上流工程からプロダクトデザインに携わり、ユーザーストーリーに沿って監修や決定を行う役職。

株式会社マネーフォワード:経営層を巻き込みデザイン経営を促進

株式会社マネーフォワードのデザイン経営事例

デザイン経営前の課題

・プロダクト数の増加によって、デザインの一貫性が不足

デザイン経営の概要

・各部門のデザイナーが集う「Design Leads」を設置
・経営層を巻き込んだ議論を通じて全社戦略を策定

デザイン経営の成果

・CDOを配置し、120名超のデザイナーが活躍する体制へ拡大
・デザインの力を自社らしい価値提供やミッションのアップデートなどに活用できた

テクノロジーとデザインこそが世界を大きく変えると信じる株式会社マネーフォワード。現在、120名以上のデザイナーが活躍するデザイン組織を運営していますが、その発展の背景には、さまざまな課題と戦略的な意思決定がありました。

デザイン組織の設立前、家計管理や確定申告、法人の経理業務などを行えるプロダクト数が増えるなか、デザイン一貫性(マルチプロダクトシングルブランド)の課題に直面していました。

この状況を打開するために立ち上げたのが、各部門からデザイナーが集う「Design Leads」と呼ばれる会議体です。経営層も巻き込んだ対話を重ねた結果、全社的な動きへと広げることが決定しました。

より戦略的なレベルの取り組みへ落とし込むために、CDOの役職を配置し、デザイン組織の本格的な開発がスタートしています。

デザインの力が事業や組織に浸透することで、自社らしい価値提供やミッションのアップデートなど今まではなかなかできなかったことが実現できるようになりました。

今後もデザインの力を最大化するためにも更に上流、経営レベルでデザインを組み込んでいくことを目指しています。

▼株式会社マネーフォワードのデザイン経営に関する考え方は、下記の記事でも触れることができます。
この“カオス”を、どうリードするか。マネーフォワードが次世代リーダーに求めるデザインの視座と役割

Apple:創業以来デザインを経営の最優先事項として設定

Appleのデザイン経営事例

デザイン経営前の課題

・創業当初は開発プロセスの最後に外観を決める流れが一般的だった

デザイン経営の概要

・「デザインはプロダクトそのもの」と定義し、開発上流からデザイナーが参画
・デザイナーとエンジニアが議論をしながら製品を開発

デザイン経営の成果

・品質にこだわったプロダクトを提供
・一貫した顧客体験を実施

Appleは創業以来、デザインを経営の中核に据えている企業です。

1970年代の創業当初のパソコン開発ではスペックが重視されて、開発プロセスの最後に外観が決まることが一般的でした。

しかし、同社は「デザインはプロダクトそのもの」と定義しています。開発の上流工程からデザイナーが参画し、エンジニアとともに内部設計と外観をつくるデザイン経営をいち早く実践しました。

新商品の開発時にはプロジェクトチームを結成して、「デザイナー:エンジニア=1:5」の比率でアサインしている点が特徴です。

デザイナーとエンジニアが「もっと薄くならないか」などの議論を重ねながら製品を作ることで、デザインをしっかりと製品に落とし込んでいます。

また、Appleは、優れたヒューマンインターフェイスの開発にとどまらず、店舗でのデザイン経営にも注力しています。

顧客の生活を豊かにするために、世界中の店舗で「商品ではなく顧客を中心に置く」ことを大切に、一貫した体験を提供しています。

デザイン経営の成功事例6選|顧客体験価値で差別化した企業

続いて、徹底したユーザー視点で顧客体験を向上させ、市場での優位性を確立した6つの事例を紹介します。

デザイン経営によって顧客体験価値で差別化した組織

株式会社メルカリ

Mercari Design Principlesを作成してデザイナー含むメンバーが同じ視点で顧客体験向上を目指す

富士フイルム株式会社

CLAYスタジオを起点に事業上流からデザインを統合し、既存技術を応用して新規事業を創出

株式会社三井住友銀行

金融サービスではなく「選ばれる体験」を軸に据えたデザイン経営を、約3万人規模の組織に浸透

NTTドコモビジネス株式会社

インハウスデザインスタジオ「KOEL(超える)」を設立し、顧客視点のサービス開発を全社展開

デジタル庁

ユーザー中心設計とビジュアルの標準化によって、行政サービスのアクセシビリティ向上に向けた取り組みを実施

Dyson

デザインエンジニアリングで機能性を追求したフォルムを具現化し、革新的な電化製品を開発

株式会社メルカリ:Mercari Design Principlesを作成して同じ視点で顧客体験向上を目指す

株式会社メルカリのデザイン経営事例

デザイン経営前の課題

・デザイナー増加に伴い、組織横断で統括する機能が不足
・プロダクトごとに表現や体験が分散し、「メルカリらしさ」がユーザーに伝わりにくい状況

デザイン経営の概要

・2018年にCXO Officeを設置
・チーム全体で同じ視点を持ち顧客体験が向上できるように「Mercari Design Principles」を作成

デザイン経営の成果

・一貫した顧客体験を提供してサービスの継続利用につながるUXを構築

フリマアプリなどさまざまなプロダクトを展開する株式会社メルカリは、2018年にCXO Officeを設置しました。

当時のデザインチームにはプロダクトとコミュニケーションの2つの領域があり、デザイナーが増えるにつれてデザイン方針を組織横断で統括する機能が必要になったためです。

メルカリのデザイン組織は、顧客体験を向上させることと同時に、事業への貢献を重要な役割としています。

デザインは単に見た目を整えるものではなく、顧客体験を損なうことなく新たな価値を提供し、事業の成長に寄与する役割を担うと考えています。

顧客体験向上に向けた取り組みの1つとして、メルカリでは「Mercari Design Principles」を作成しました。

「Mercari Design Principles」は、チーム全体で一貫性のある意思決定をサポートする、共通の価値観です。

デザイナーを含めた複数の部門へのヒアリングを通して作られたもので、顧客体験に関わるすべてのメンバーが共通の視点を持てるように設計されています。

これにより、ユーザーがどのサービスや機能を利用しても「メルカリらしさ」を感じられる一貫した顧客体験を提供できるようになりました。

富士フイルム株式会社:新たなイノベーションを生み出すデザイン経営を推進

富士フイルム株式会社のデザイン経営事例

デザイン経営の概要

・事業や開発の最上流からデザイン部門が関わり「ありがとう」「いいね」「たのむ」の好循環を回す

・デザイン経営を実践する「CLAYスタジオ」を設置
・CLAYスタジオにはIT開発拠点「ITs」を併設し、デザイナーとITエンジニアが連携

デザイン経営の成果

・デザイン部門の力を経営戦略やブランド戦略に活用
・デザインとITの融合によるイノベーション体制を確立

ヘルスケアやエレクトロニクスなど幅広い事業を展開する富士フイルム株式会社は、経営層にデザイン責任者を置いて経営戦略やブランド戦略とデザイン部門の力を結びつけるデザイン経営を推進しています。

富士フイルム株式会社のデザイン経営は事業や開発の最上流からデザイン部門が関わり、「ありがとう」「いいね」「たのむ」の好循環を回せるようになりました。

【「ありがとう」「いいね」「たのむ」の循環】

1.「ありがとう」の積み上げ(社内の声) デザイナーの発想を経営に活かすことで、実績につながった

2.「いいね」の積み上げ(社外の声) 富士フイルムの多くの事業領域の製品・サービスのデザインが評価されるようになった

3.「たのむ」の醸成(信頼感)デザイン部門に対する期待がさらに高まり、デザイナーとともに動くスタイルが定着した

また、デザイン経営を実践する「CLAYスタジオ」を設置している点も特徴です。CLAYスタジオは経営直下に設置されており、「富士フイルムをデザインする」というミッションを掲げています。デザイナーはもちろん、多くの事業部や研究所と協力して企業価値の向上を目指しています。

たとえば、「現場にこそデザインの答えがある」と考え現場検証、ニーズの深掘りなどを行い、移動型X線撮影装置やデジタルカメラの開発など、ブランド価値の向上に貢献しています。

また、社会課題の解決に寄与する新しい価値を創造するには、デザインとITの連携が不可欠と考え、CLAYスタジオにIT開発部門の拠点「ITs(イッツ)」を併設。デザイナーとITエンジニアの密な連携によって、革新的なプロダクト・サービス開発に取り組んでいます。

株式会社三井住友銀行:デザインの力を心地よい金融体験に反映して価値を創出

株式会社三井住友銀行のデザイン経営事例

デザイン経営前の課題

・金融サービスのデジタル化が進むなか、実店舗以外のタッチポイント設計が必要
・金融サービスが複雑で、ユーザーにとってわかりにくい

デザイン経営の概要

・デザインチームを設立し、顧客体験を軸にサービスを再設計
・2016年にインハウスデザイナーを配置し、約3万人規模の組織にデザインを浸透

デザイン経営の成果

・顧客満足度の向上
・2023年にグッドデザイン賞を受賞

株式会社三井住友銀行は、デザインの力で「最も選ばれる金融グループを創る」というミッションを掲げ、デザイン経営を実践しています。

金融サービスもデジタル化が進んでいることから、実店舗以外のタッチポイントを増やして価値提供を行うためにデザインチームが設立されました。

金融サービスの仕組みは複雑で、ユーザーに難しいと思われやすい傾向があります。そこで、誰にとってもわかりやすく、安心して使える顧客体験を実現するために、デザインの力が必要だと考えたのです。

2016年にインハウスデザイナーを配置し、約3万人の組織にデザインを浸透させ、デジタル化の加速とユーザー満足度の向上に取り組みました。

その結果、信頼構築や価値発信・拡大などに寄与して、2023年に「グッドデザイン賞」を受賞しています。

また、2025年には、同グループ会社の三井住友カード株式会社に、社長直下の新たな横断組織「CEOデザインオフィス」が設立されました。

金融サービスではなく「選ばれる体験」を中心に置き、デザインを起点に経営・事業・顧客体験をつないで、ブランドの確立と持続的な成長に貢献することをミッションとしています。

NTTドコモビジネス株式会社:デザイン思考=顧客志向経営と捉えて価値を創出

NTTドコモビジネス株式会社のデザイン経営事例

デザイン経営前の課題

・2005年頃は社内にデザイナーが不在の「デザイン不毛地帯」状態

デザイン経営の概要

・他部門と一体で顧客視点のサービス開発を推進
・2020年にインハウスデザインスタジオ「KOEL(超える)」を設立
・高度専門人材の採用と情報発信を強化

デザイン経営の成果

・顧客視点のアプローチが全社へ波及
・新規事業や大型システム開発に参画する体制を確立
・数百億円規模の事業インパクトを創出

NTTグループの総合ICT事業で法人事業を担うNTTドコモビジネス株式会社は、2020年にインハウスデザインスタジオ「KOEL」を設立しました。

公共性とビジネスの両立を目指すセミパブリック領域を独自のテーマとして、社内の案件をデザインの側面からサポートする組織です。

2005年頃の同社は、社内にデザイナーが1人もいない「デザイン不毛地帯」でした。しかし、デザイン思考やUXデザインの知識を持つデザイナーが徐々に集まりはじめ、次第に企画段階から声がかかるようになります。

大きな転換点となったのは、デザインユニットと他部門が一体となって進めた、顧客視点に基づいたサービス開発です。

その取り組みと成果を見たマネージャーが「全社に広めるべき手法だ」と確信し、社長に伝えたところから全社的に広がりました。

その後、新しい領域へチャレンジする組織であることを対外的にも示すデザイン組織「KOEL(超える)」を立ち上げ、高度な専門性を持つキャリア採用にも取り組み、情報発信を強化しました。

その結果、いまでは新規事業や大型システム開発など、難度の高い案件を受ける体制が整い、数百億円規模の事業インパクトをもたらすまでに成長を遂げています。

デジタル庁:デザイン人材を中核に配置して利用体験から行政を再設計

デジタル庁のデザイン経営事例

デザイン経営前の課題

・行政サービスは情報量が多く、専門用語が多用され理解が難しい
・ビジュアルの統一性がなく、同一サービスと認識しにくい

デザイン経営の概要

・ユーザー中心のサービスデザインを導入
・CDOやアクセシビリティアナリストなど専門人材を配置
・共通の「イラストレーション・アイコン素材」を公開

デザイン経営の成果

・情報のアクセシビリティ向上と視認性の改善を推進
・行政内部にデザイン経営の視点を展開

2021年9月に発足したデジタル庁は、「誰一人取り残されないデジタル社会」の実現に向け、ユーザー中心のサービスデザインを取り入れています。

組織にはCDOをはじめアクセシビリティアナリストなど高度な専門人材が参画して、利用体験から行政サービスを再設計する試みを取り入れています。

これまでの行政サービスは情報量が膨大で、難解な専門用語も多用される傾向にありました。

ユーザー側では「すべて読まないと理解できない」「ビジュアルの雰囲気が異なるため、同じサービスだとわからない」などの課題が起こりやすい状況だったのです。

そこで、デジタル庁は、省庁や自治体の担当者が「誰に、何を、どう伝えるか」を直感的に整理できる「イラストレーション・アイコン素材」を公開しました。

ビジュアルの共通化を図ることで、誰もが等しく情報を利用できるアクセシビリティを確保する狙いです。

また、デジタル庁は、サービスデザインの実践を通じて、デザイナーだけでなく行政の担当者がデザイン経営の重要性を自分ごととして捉えられるよう、取り組みを推進しています。

Dyson:エンジニアリングとデザインを融合し、革新的な「機能体験」を提供

Dysonのデザイン経営事例

デザイン経営の概要

・デザイナー職を置かず、デザインエンジニアが設計やデザインに関与
・リーン・エンジニアリングで最小限の材料から最大性能を実現
・機能とデザインを不可分とし、性能追求の結果としてフォルムを決定

デザイン経営の成果

・デジタルモーターV9など、小型・軽量・高性能技術を実現
・掃除機や扇風機などで革新的プロダクトを創出

国内でも人気を誇る海外家電メーカーのDysonでは、デザインにも深い知識を持つデザインエンジニアが中心となり製品開発を行い、機能から導かれるデザインを追求しています。

その根幹にあるのが、最小限の材料で優れた性能を引き出すリーン・エンジニアリングです。徹底的に無駄を省くことで、統一感のある見た目と軽量デザインを実現しています。

たとえば、ヘアドライヤーのために開発されたDysonのデジタルモーターV9の大きさは、わずか27mmです。一般的なモーターの約6倍の速さを誇りますが、重量は最大で約3分の1に抑えられています。

Dysonの製品において、機能とデザインは切り離せないものです。サイクロン掃除機や羽根のない扇風機、ヘアドライヤーなどの商品は、すべて性能を突き詰めた結果として独創的なフォルムを形成しています。

ユーザーニーズを的確に捉えてプロダクトに反映させ、テクノロジーによって問題を解決し続けることで、家電業界に次々とイノベーションを巻き起こしています。

デザイン経営の成功事例に共通する3つのポイント

デザイン経営の成功事例を見ると、業種や規模を問わず、いくつかの共通点が浮かび上がります。ここでは、デザイン経営を成功させるための3つのポイントを紹介します。

【デザイン経営の成功事例に共通する3つのポイント】

・上流工程から積極的にデザイナーが携わっている
・デザイン人材が意思決定の場に関与している
・社内にデザインの重要性が浸透している

上流工程から積極的にデザイナーが携わっている

1つ目は、戦略設計や事業の初期段階である上流工程から、デザイナーが積極的に関与していることです。従来の開発プロセスでは、内容が決まった後にデザインを依頼するのが一般的でした。

デザイン経営におけるデザインの役割は、プロダクトの外観を整えて人を魅了することから、企業の方針を策定する重要な経営資源へとシフトしています。

新規事業の立ち上げやブランド戦略の設計、サービスのコンセプト設計など、初期段階からデザイナーが参画することで、顧客視点に基づいた価値設計が可能です。

ユーザーの体験や感情までを見据えて構想を練るため、単なる機能提供にとどまらない差別化につながります。

デザイン人材が意思決定の場に関与している

2つ目は、デザイン人材がプロダクト制作の実行にとどまらず、経営の意思決定に深く関与していることです。デザイン経営の成功事例は、下記のような工夫をしてデザイン人材が意思決定の場に関与しています。

  • CDOやCXOを配置する

  • 経営直下にデザイン組織を設置する

こうした環境では、経営判断の基準に「顧客体験が中心となっているか」「ブランドらしさが伝わるデザインで統一されているか」という視点が自然に組み込まれます。

短期的な売上に偏ることなく、プロダクト・サービスからユーザーとのコミュニケーションに至るまで、一貫した顧客体験の提供が実現するのです。

社内にデザインの重要性が浸透している

3つ目は、社内にデザインの重要性が浸透していることです。デザイン経営に成功した企業において、デザインの重要性を信じているのはデザイナーだけではありません。

経営層や事業部門を含め、組織全体にデザインの価値が共有され、共通言語として機能しているのも共通点の1つです。

具体的には、企業のパーパスやMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)にデザイン思考が組み込まれ、開発プロセスにも反映されています。

デザインが企業文化として醸成されることで、顧客視点に基づいたサービスを一貫して提供できます。

その結果、新規案件の受注率向上や売上の拡大、リブランディングの成功といった、目に見える事業成果へとつながっていくのです。

デザイン経営を成功させるには自社らしいデザイン組織が必要

デザイン経営を成功させるには、自社らしい価値を体現できるデザイン組織の構築が不可欠です。しかし、多くの企業が「どのようなデザイナーを採用すべきかわからない」「採用活動の負担が大きい」などの課題を抱えています。

デザイナーの採用方法は、採用担当者の負担を抑えつつ、デザイナーとのミスマッチを防ぐために、適切に選択する必要があります。デザイナー採用に特化した採用プラットフォームReDesigner(リデザイナー)は、400社以上のデザイナー採用実績があります。

デザイナー採用時の壁となる採用要件の定義や期待値調整などでつまずかないように、デザイナー採用に知見のあるメンバーが伴走します。

自社の課題に応じたデザイナーの要件定義や求人票の作成など、デザイナー採用の前段階から伴走支援が可能です。

【ReDesignerの強み】
・デザイナーの業界、スキルを熟知しているからこそマッチ度が高い
・約1.2万人(2024年3月時点)のデザイナーが登録しており年々登録者が増加している
・求人票の作成や企業様の要件に合うデザイナーの紹介など手厚い伴走で安心して進められる

ReDesignerのご利用企業様からは「自社にマッチしたデザイナー採用ができてデザイン経営を推進できる体制が整った」というお言葉もいただいております。

「デザイン経営を実践したいけれど人材不足に悩んでいる」という方は、まずはお気軽にご相談ください。

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