「スカウトを送っても、返ってくるのは20通に1通ほど」。ダイレクトスカウトに踏み出したばかりのMETATEAMが直面したのは、母集団形成の壁だった。
クライアントワークを軸に成長を続ける同社にとって、デザイナーの増員は事業の伸びに直結する。前期だけで組織は15名増え、デザイナーは約20名に。だが母集団は集まらず、ようやく会えても内定出しのタイミングで他社にバッティング負けしてしまう。
転機になったのが、デザイン特化型プラットフォーム「ReDesigner」の導入だった。職種が細かく分かれた母集団から狙った人材に出会い、スカウトの出し直しやピックアップの伴走を受けながら、半年で2名の採用を実現。他社サービスと比較しても約2倍の返信率だった。
今回お話を伺ったのは、約20名のデザイン組織を率いるエグゼクティブマネージャーの藤原氏と、採用担当の井川氏。組織を1年で数倍にしようとするMETATEAMの、採用の現在地を聞いた。
(※本記事は2026年時点の情報に基づきます)
自社プロダクトを持たない会社が、デザイナー採用に本気になる理由
──まずは、METATEAMの事業について教えてください。
井川さん:DX事業部を軸に、クライアントワークを展開しています。お客様の事業課題やシステムの課題をヒアリングし、改善まで一気通貫でご支援するかたちです。社員数は日本法人で約800名、グループ全体だと約950名ほど。エンジニアが約450名、コンサルタントが約200名という規模です。
藤原さん:デザイナーが関わる領域でいうと、金融や保険、最近ではメディア・観光など、業界を問わず幅広くご支援しています。ユーザー体験を設計するところから、実際のアプリ画面をつくるところまでが私たちの仕事です。
──デザイナー採用を強化されている背景には、何があるのでしょうか。
井川さん:私たちは自社プロダクトを持たず、基本的にクライアントワークで成り立っています。メンバーが増えるほど事業の利益が積み上がるビジネスモデルなんです。デザイン領域への引き合いも年々大きくなっていて、前期は15名を増員しました。
今期は会社全体で大きな売上目標を掲げていて、その達成に向けてデザイナー組織も相応の規模が必要になっています。だからこそ、今期はかなり踏み込んで採用に投資をしているという状況です。
──デザインの役割そのものも、変わってきているのでしょうか。
藤原さん:はい。AIで画面を即座につくれる時代になり、誰でもある程度の制作ができるようになりました。だからこそ、デザイナーの役割が変わるタイミングだと感じています。
これからは、お客様の課題にどれだけ寄り添えるか。デザイン以外の部分も含めて価値を提供できるかが問われます。Figmaで作るだけでなく、AIを前提にどう業務を組み立てるか。そこをグループ全体で取り組みはじめています。
返信率5%。母集団も内定承諾も、壁だった
──去年、デザイナー採用を本格化したころは、どんな課題を抱えていましたか。
井川さん:最初の半年は、ダイレクトスカウト中心で採用を進めていました。ただ、当時は母集団形成にかなり苦戦したというのが正直なところです。スカウトを送っても、返信率は数パーセントほど。なかなか応募につながりませんでした。
その後はエージェントの活用も始めて、母集団はある程度つくれるようになりました。けれど今度は、内定承諾の段階で他社に競り負けてしまうことが増えてしまい。デザイン組織自体が立ち上がって間もないので、「METATEAMにデザイナー組織がある」という認知や、その魅力の発信もまだ十分ではなかったんです。
──母集団の入り口と、最後の意思決定。その両方が課題だったんですね。
井川さん:そうですね。今は返信率も他社サービスと比較しても約2倍まで上がってきて、少しずつ手応えが出ています。ただ当時は、いい人材の確保から承諾までの一連が、すべて壁でした。
UIもUXもBXも。職種が細かいからこそ、狙った人に出会える
──数ある媒体のなかで、ReDesignerを選んだ決め手は何でしたか。
井川さん:いちばんは、デザイン特化型の媒体だという点です。母数が他媒体より少なかったとしても、ターゲットの質が担保できるのではないかと考えました。
実際に運用してみて強く感じたのは、職種の細かさです。ひとくちにデザイナーといっても、グラフィックなのかUIなのかUXなのか、中身はかなり細分化されています。ReDesignerでは私たちが知らなかった名称のポジションまで分かれていて、BXデザイナーのような職種も含めて、運用側として狙いを定めやすいんです。
導入時にも、「UIデザイナーがこんなにいるのか」と驚きました。他のサイトでは即戦力になる方がそう多くないなかで、経験を積んだデザイナーが豊富に登録されている。これは大きな魅力でした。
──日々のスカウトでは、どんな基準で候補者を見ているのでしょうか。
井川さん:スキルのグラフよりも、自由記述の中身を重視しています。職務経歴や自己紹介、「やりたいこと」「できること」にどんな言葉が書かれているか。そこからその人らしさを読み取ります。
グラフで唯一よく見ているのが、思考性です。たとえば社交的な傾向があるか。UI/UX領域はお客様との折衝が多いので、自ら積極的に動いてくださる方とご一緒したいと考えています。
加えて、「マネジメントに関心がある」「リードデザイナーを目指したい」といった記載があると、将来の組織を担う方として期待を込めてアプローチします。組織が大きくなるほど、リーダー層の存在が重要になりますから。スカウト文面も、その方の志向と私たちの環境が重なる部分を意識して書いています。
──承諾をいただいたあと、選考はどのような流れで進めているのでしょうか。
井川さん:承諾いただいた方とは、できる限り全員とお会いするようにしています。面談を、選考というより相互理解の場と位置づけているんです。すべての情報が揃ってから話すのではなく、まずお会いして、お互いに「いいな」と思えたら次に進む。会わずに後悔するより、会って判断したい。そう考えています。
同じ候補者でも、どの求人で届けるかで返事は変わる。1通の工夫が、承諾を生んだ
──ReDesignerのサポートで、印象に残っていることはありますか。
井川さん:大きく3つあります。
1つ目は、反応がなかった方への再アプローチの提案です。たとえば最初にUIデザイナーの求人でお声がけして反応がなかった方に、「この方の思考性なら、UX領域のほうが響くのでは」とアドバイスをいただいたことがありました。実際にUXの求人で送り直したところ、返信が来て、そのまま承諾まで進んだんです。私たちだけでは一人ひとりここまで振り返れないので、本当に助かりました。
2つ目は、スカウト文面やタイトルの改善提案です。「この方にはこのパターンがいいと思います」と、複数の案から具体的に示してくださる。打ち合わせのあとに候補者のURLをまとめて送ってくださるので、こちらはテンポよく送り出せます。
3つ目は、他媒体も含めた候補者のピックアップです。手が回らないときに、隔週でターゲットに合う候補者を拾ってくださる。しかもその質が高くて、ピックアップいただいた10名のうち8〜9割はこちらの狙いと合っている。とてもありがたいです。
──成果としては、半年で2名の採用が決まりました。
井川さん:はい。よく言えば、2〜3ヶ月に1人決まれば嬉しい、というペースを実現できました。ReDesigner経由で内定をお出しした方は5名ほどいて、そのうち2名の入社が決まっています。
最初に入社された方は、現場からの評価がとても高く、生き生きと働いてくださっています。コミュニケーション能力が高く、会社のイベントにも積極的に参加してくれる。前職での苦労を経験されていたこともあり、「METATEAMはすごくいい会社だ」と話してくださるんです。私たちも、採用して良かったと心から思えました。
──導入から、入社までのスピードも早かったとか。
井川さん:はい。12月下旬に内定をお出しして、2月にご入社。導入から1ヶ月半ほどで、最初の効果が出たかたちです。内定を辞退された方も含めて、お会いした方は皆さん本当に質が高かった。出会いの質という意味で、手応えを感じています。
会社にも社会にも、存在感のあるデザイン組織へ
──今後、デザイナーが増えていくなかで、どんな組織を目指していますか。
藤原さん:会社のなかでも、業界のなかでも、存在感のあるデザイン組織にしていきたいと思っています。存在感があるということは、会社への貢献も、社会への貢献もできている状態だと考えているので。
この1年でメンバーは2倍近くまで増えました。今いるメンバーも、新しく入ってくれる方々も一緒に、イノベーティブな組織をつくっていきたい。そして、誰もがイキイキと働ける組織にしていきたい。そのための採用を、これからも続けていきます。
──ReDesignerに、さらに期待することはありますか。
井川さん:システム面の要望にはなりますが、スカウトの再送(リマインド)を自動化できる機能があると、さらに業務効率が上がると感じています。複数の媒体を使い分けるなかで、スカウト運用の時間をもっと候補者と向き合う時間に充てられたら理想的です。期待を込めて、お伝えしておきます。


